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3)写本研究

サンスクリット語写本003V_LVP014
チベット語写本dBu ma tshig gsal tik003b

1)、2)の研究の基礎となるものが文献の写本研究です。私たちが扱うサンスクリット語やチベット語の文献の多くは植物の葉や紙に手書きで写された「写本」の形で伝えられています。その文字は多様で、訓練を受けた者でないと解読することができません。これを解読し、複数の写本を比較し、またインドの仏教文献ならば、チベット語や中国語に翻訳されたものと比較し、(その言語を学んだものならば)誰でも読める校訂テキストを作らねばなりません。これが私たちの研究の前第一歩となる重要な作業なのです。正しいテキストがなければ、思想研究はできません。

さらに、写本は今日では散逸したり、断片しか残っていないものもあります。これらの蒐集と保存も大きな課題です。ハンブルク大学では1970年から2000年にかけて「ネパール•ジャーマン写本保存プロジェクト」(Nepal-German Manuscript Preservation Project)をネパールの研究機関等と協力して行い、ネパール各地でサンスクリット語を中心とした仏教、ヒンドゥー教の写本を蒐集し、調査を進めました。2002年から2014年まで、その後進である「ネパール•ジャーマン写本目録プロジェクト」(Nepal-German Manuscript Cataloguing Project)により、1万8千点にのぼる写本を目録に収め、カタログをオンライン公開しています。これほど大規模な写本プロジェクトは他に例を見ません。ハンブルク大学の三教授はこのプロジェクトで中心的な役割を果たし、その文化財の保存と活用への貢献は計り知れないものがあります。

ハンブルク大学では、さらに広い領域にわたる「アジア•アフリカ•ヨーロッパ写本文化研究センター」(Centre for the study of manuscript cultures)を2011年に発足させました。人文学の基礎研究を研究分野を越えて推進しています。

サンスクリット語、チベット語の写本で未解読な写本は無数にあります。それはすなわち世界で誰も読んだことがない文献がたくさんあるということです。それを解読し、テキストを作って世に出すことも私たちの重要な使命です。本学の吉水はチベット語写本の、小野、志田はサンスクリット語の未解読写本の校訂研究を行っており、ハンブルク大学の研究ユニットから多くを学び、協力して研究を進めています。

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