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研究分野

私たちの研究分野は、「インド学」(Indology)、「チベット学」(Tibetology)、「仏教学」(Buddhist Studies)という名称で呼ばれる伝統的な分野にまたがっています。また仏教を介して「日本研究」分野と関わり、さらに比較的新しい研究分野である「比較思想」(Comparative Philosophy)、「人文情報学」(Digital Humanities)という分野ともリンクしています。これらを結びつける共通の学問的アプローチの方法は、文献研究(Philology)であり、研究対象とするものは仏教、ヒンドゥー教などインドで生まれた宗教の思想とそこにつながる言語、文化です。

インド学•チベット学•仏教学

「インド学」とは、主にインドの言語への関心からヨーロッパで起こった学問分野です。18世紀にインドの古典語であるサンスクリット語がヨーロッパの古典言語であるギリシャ語、ラテン語ときわめて近い言語であることが発見され、言語への関心がインド文化への関心へと広がり、インド古典文献(ヒンドゥー教の聖典、インド古典文学、仏教経典など)の研究がさかんになりました。今日の「インド学」の名称はこの伝統に従っているため、インドの古典語であるサンスクリット語、パーリ語などで書かれた仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教などの宗教文献、歴史、思想、文学の文献を対象とし、現代インド社会の研究は社会学、人類学などに譲っています。一方、「チベット学」は、比較的新しい研究分野でチベットに関するものすべてを対象とします。現在チベット地域は中華人民共和国内の自治区ですが、1949年以前はチベット民族は独立の仏教国家でした。彼らはモンゴル、中央アジアにおよぶ広大なチベット仏教文化圏を作り上げ、内陸アジアで文化的にはたいへん重要な役割を果たしてきました。ゆえに「チベット学」という研究分野が生まれたのです。「インド学」と「チベット学」を結びつけているのは「仏教」です。「仏教学」は両方と重なっています。日本は古来仏教を自らの文化としてきました。日本の仏教研究は、伝統的な宗派の教学に加えて、近代的な文献研究の方法を取り入れ、発展してきました。現在ではその研究領域を「インド学」「チベット学」と横断させ、「日本研究」とも結びつけながら研究を行っています。

対象地域と文献

これらの3分野が研究対象とする地域は、インド、ネパール、ブータン、スリランカ、東南アジア、チベット、モンゴルなどの内陸アジア、シルクロードを含む中央アジア、中国、朝鮮半島、日本までを含みます。これらの地域は歴史的に見れば仏教文化圏であり、また南•東南アジアはヒンドゥー教文化圏ですので、インドの宗教、文化が伝播した地域になります。対象とする文献は紀元前1200年頃に成立した最古の聖典から19世紀頃までに書かれたものです。それらの文献は、インドの古典語であるサンスクリット語やパーリ語、そしてチベット語、漢文などで書かれています。

比較思想•人文情報学

このように私たちの研究は、広くアジアの思想•文化の研究であり、アジア地域の中での多様性を探る上では異文化理解、欧米の思想との比較を行えば「比較思想」研究ともなります。文献にもとづく研究が中心ですが、文献は広い意味で碑文なども含みますし、美術や建築などの研究、また寺院などに保管された文献写本の研究のため、現地調査を行うこともあります。また、今日では研究成果、研究リソースを共有する手段として、文献のデジタル化、データベース化、リソースの統合が「人文情報学」という新しい分野で世界の研究者の協力のもと進められています。私たちの研究分野は「人文情報学」でも大きな貢献を果たしています。

私たちの研究には国や民族による隔たりはありません。アジアの研究者、欧米の研究者(イスラエルを含む)が常に情報交換し、協力しています。日本の研究者も多くの論文を英語で発表しています。これまで日本とドイツはこの研究分野で世界をリードしてきました。今回の海外教育研究招致プログラム(IERLP)によるハンブルク大学と筑波大学の国際協力は、世界の研究の最前線での意味あるタイアップです。

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