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研究成果の発表(小坂有弘)

研究成果の発表(小坂有弘) published on

小坂有弘さんが、ハンブルク大学のコロキュームで研究成果を発表しました。

日程:2017年1月18日(水)
場所:ハンブルク大学
題目:Candrakīrti’s interpretation of the twenty-third chapter of Mūlamadhyamakakārikā

概要:「顚倒の考察」と呼ばれる『中論』23章の解釈には、チャンドラキールティ (ca. 7C)と他の中論註釈者たちとの間で解釈に相違が見られる。本発表ではチャンドラキールティの理解の独自性を他の註釈者の理解と対照しながら考察した。チャンドラキールティは『中論』23章に説かれるśubhāśubhaviparyāsaという複合語を「śubhaとaśubhaとviparyāsa」という並列複合語として解釈し、三者を貪欲と瞋恚と愚痴の原因として対応させる。śubhāśubhaviparyāsa解釈にもとづく彼の23章理解は彼に先行する『中論』註釈者の理解と異なるものであるが、彼同様の複合語解釈は、ナーガールジュナ作とされる『空七十論』中にも確認できる。バーヴィヴェーカ (ca. 6C)やブッダパーリタ (ca. 4-5C)などの他の中観派の註釈家たちがナーガールジュナに帰せられる著作のなかでも『中論』にのみに註釈を行っているのに対して、彼は『空七十論』や『六十頌如理論』といった他のナーガールジュナの著作にも註釈をおこなっている。また註釈こそおこなっていないもののナーガールジュナの『ラトナーヴァリー』は彼の著作のなかで頻繁に引用される。彼の『中論』への註釈もそれらの著作から得た知見を踏まえていると言える。

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